CREATIVE
INTERVIEW

クリエイティブ インタビュー

HIROYUKI KUBO & CHIHARU DODO

PARCO 2017AW-2018SS / CREATIVE INTERVIEW
HIROYUKI KUBO & CHIHARU DODO (Union Magazine)

スタイリストとして数多くのファッション雑誌やブランドカタログ、ビジュアルを手がけるHIROYUKI KUBOと百々千晴。そんな2人が2012年から編集長として発行を続けるのが『Union(ユニオン)』というインディペンデント・ファッションマガジン。毎号、独自のセンスでピックアップした、国内及び海外のクリエイターたちと作り上げるファッションビジュアルに定評のある2人に、今季のパルコの広告キャンペーンについて訊いてみた。

— パルコのシーズン広告キャンペーンでは、M/M(PARIS)をアートディレクターに起用して今回で4年目になりました。過去の3年間は少女を主人公に、季節の移り変わりをビジュアル化していくというコンセプトのもと、おとぎ話のような異世界のような雰囲気のビジュアルを作ってきましたが、今回はそこから変化を付けるという狙いがありました。まずはビジュアルを見た率直な印象を教えてください。

HIROYUKI KUBO まず、モデルのサスキアに目を奪われました。アートディレクターにM/M(PARIS)、フォトグラファーはアラスデア・マクレラン、そして被写体にサスキア。こんなにいいアーティストたちとタッグを組めることが羨ましいと思いました。どうしても作り手側の目線で見てしまいますね。予算を始め、様々な条件もあるのでキャスティングの難しさは、自分自身が経験してきたし、交渉の苦悩も分かります。交渉先のエージェントのいいなりでもダメだし、離れ過ぎても困るんですよね。これを実現することがどれだけ大変なのかが分かるので、すごいなと思いました。一般の人からみると、パルコが海外のスタッフと現地で撮影しているという凄さが、なかなか分かりにくいかと思いますが、僕らからすると、パルコの奥行きを感じましたね。他の商業施設の広告とは全く異なりますし、独自のクリエイティブだなと思いました。

百々千晴 このビジュアル、本当に頭に強く残りました。私の世代はパルコが様々な面で身近な存在だったので、東京に来てはパルコでお買い物していました。あの頃、パルコが持っていた勢いを見てきた私にとって、これからパルコがどんな盛り上がりを見せてくれるのか、期待を膨らませてくれるようなビジュアルでしたね。特に今は渋谷パルコも建て替え中だったりするので、こういう動きを含めて、今後パルコがどのように変化して行くのかが楽しみになりました。

HIROYUKI KUBO 僕、アラスデア・マクレランがすごく好きなんです。彼が手がけた2011年のマーガレット・ハウエルのキャンペーンを見て、すごくいいと思っていたんです。だから、今回もアラステアが撮ったんだ! と驚きました。それと同時に、アラスデアと言えばモノクロ写真の印象が強いので、今回のようにカラフルな世界観の写真を撮ったことが新鮮に映りました。

百々千晴 あとはスタイリングにも注目しました。服にアラスデアの作品をプリントしているスエットが特徴的ですね。昨今のトレンドでもある絶妙な野暮ったさがキーポイントになっていて、全体の印象を強めている。今回のビジュアルに現れているゆるっとした感覚や絶妙な柔らかさからもパルコのフィロソイーを感じ取れますしね。

HIROYUKI KUBO パルコは商業施設なので、ファッションブランドの広告とは違うという点で、僕だったらどんなディレクションをしただろう? と考えてしまいます。かっこいいだけではなく、“パルコらしさ”を表現する必要がある。そう思うと今回のビジュアルは印象に強く残るし、絶妙なクリエイティブワークなんですよね。それにパルコのCFムービーはいつもインパクトが強いですよね。広告やCFムービーからもエネルギーが伝わって来るんです。パルコはこれまでオリジナルのカルチャーを発信してきた。もちろん、一流のアーティストと作っているという点にも意識が向きますが、常に独自性や新たなカルチャーを発信するというパルコの大事な特徴がこのビジュアルにも表現されていると思います。

— 今後のパルコに期待することはありますか?

百々千晴 私はずっとパルコに通い続けられたらと思っているので、衝撃的かつインパクトのある、独特な商業施設であり続けて欲しいです。他の商業施設と全く違う場所でないと面白くない。みんなに好かれる大衆性があるというだけじゃ、わざわざ行こうとはならない時代だと思います。
私も休みの日は家族で過ごすことが多いので、ファッションはもちろん、世代や人種を超えたライフスタイルや、日本独特の文化に寄り添う、そんなスペシャルな場所であって欲しいと思います。

HIROYUKI KUBO 従来型ではなく、体験できる空間だったらよりいいですね。もともと渋谷にあったパルコ劇場がとても好きでよく行っていたので。若い世代はもちろん、年齢層が高い人たちがパルコ劇場に足を運んで、そのついでに買い物も楽しめたらいいですよね。この広告キャンペーンに関して言えば、これまでのヴィヴィアン・サッセンによるファッションとアートを融合や、ヨーガン・テラーのシュールでユニークなビジュアルもそれぞれの特徴や個性、テンションが出ていましたよね。次は誰を起用して、どんなビジュアルが完成するのか、とても楽しみです。

17ver.